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車載メーターのリング部品の加飾方法の変更によるコストダウンと意匠性向上の実現

Before(改善前)

車載メーターのリング部品の工法転換によるコストダウンと意匠性の向上を実現した事例をご紹介します。プラスチックの加飾化技術の目的としては、同一部品形状で、塗装、めっき、蒸着などの仕様差を設けて、車両全体の高級感の向上、個性化をはかることにあります。また今後、自動運転等の技術が進むことで車内は居住空間となり、快適性の観点から、よりデザイン性が求められていきます。車載メーターの加飾部品(リング、オーナメント等)には塗装、めっき、蒸着などが多く使用されています。特にめっき、蒸着では高級感のあるサテン色調から漆黒色など、トレンドに合わせた新色に対応が可能です。ただその反面、どうしても塗装に比べ コストが高くなってしまうのですが、お客様がコスト面ではめっきや蒸着よりも安く、なおかつ塗装よりも金属調を出したいとお悩みでした。

After(改善後)

そこで、蒸着工法を選択している車載メーターのリング部品をホットスタンプ工法で作成し、懸念点・コスト感覚を調査しました。最初はホットスタンプ箔の中でもより安価であるアルミ箔を使用しトライを行いました。通常平面の基材にホットスタンプを行うことは容易ですが、形状が平面では無い為、箔の密着性に懸念がありました。ですが、ホットスタンプの条件を調整し 何とかサンプルを作成することが出来ました。ただ車載の信頼性評価試験で基準をクリアできず、アルミ箔は不採用になりました。その後、少し割高にはなりますがクロム箔での検討を開始致しました。車載の信頼性評価試験はクリアした為、サンプルトライを行いました。2tonのホットスタンプ機でトライを行いましたが、シワやガタツキが発生し 改善が見込めなかった為、6tonのホットスタンプ機で再トライしました。シワやガタツキが減少し 改善の余地ありと判断し、こちらで客先へ提出した所、検討の価値はあるとの評価を頂きました。色調も塗装・蒸着に比べて制限があるものの、要求を満たせるレベルでの箔も開発ができました。その結果、最終的には、ホットスタンプ工法を提案しました。

改善効果

改善効果として、コスト面では、めっき・蒸着と比較すると安価で生産することが可能となりました。ただし箔の種類・色調・数量によっては価格が上回る場合もあり、密着度やシワなどについては形状によるところがあります。また、工程に関しては、ホットスタンプは熱が加わった箇所にだけ加飾される為、めっき・蒸着のように加飾をしたくない箇所へのマスクや下処理等が必要なくなりまりました。

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