Before(改善前)
ドアパッキンの耐久性向上の事例をご紹介します。スーパーなどのショーケース扉や窓パッキン等に利用されている軟質PVC押出成形品のパッキンが3ヶ月程度で切れてしまうので、耐久性を向上する必要があるという問題を抱えていました。具体的には、パッキンはPVC素材で押出成形にて製造されており、交換部品としては数量が出るので売り上げに貢献しているが、エンドユーザーからの改善要望は長年続いており、早ければ1ヵ月で壊れてしまうという耐久性が業界全体の長年の課題となっているという状況でした。
After(改善後)
そこで、押出成形に中芯をインサートして強度を増加させることで、耐久性を向上させることを検討しました。この提案に至った経緯として、電車の吊り革ベルトが簡単に切れないよう樹脂の押出成型で加工されたベルトの中芯に生地をインサートしている事例をヒントにしました。PVCパッキンの中に薄いPET生地をインサートして、強度試験を行った結果3倍以上の耐久性を実現する事ができたので、量産化を実現することとなりました。試作を重ねるインサート生地が蛇行する、インサート押出素材をL字に溶着するアイテムでは溶着強度が弱まるなどの製造上の課題が発生しましたが、協力サプライヤーの技術部門の協力でなんとか解消する事ができ、製造特許取得の動きとなりました。また、強度のバラつきを軽減するためにインサート生地の選定も重要であることが判明し、数種類の生地を検証しました。
改善効果
改善効果として、パッキンの耐久性が3倍となりました。