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ものづくりVE情報

真鍮バルブのめっきによる耐久性の向上

Before(改善前)

真鍮部品の工法転換による耐久性の向上の事例をご紹介します。真鍮を数十mm間隔でパイプカットし、その後面取りをする2工程で月産100万個程度の生産を行っている部品でしたが、さらなるコストダウンと部品の機能性を上げる必要があるという問題を抱えていました。
過酷な環境で使用される部品のため、材種変更や材質変更にあたって外観はもちろん、耐蝕性といった必要な仕様を満たしたうえで、コストダウンと機能性の向上を同時に、実現するVEの提案が必要でした。また、ロットの大きい部品であるため、生産の安定性が高く、歩留まりの高い方法での生産が必要という難易度の高いVE提案を行う必要がありました。

After(改善後)

そこで、部品の素材単価を下げることによる材料費の削減と、製造工程の改善による加工費の削減を検討しました。
材料費の削減に関しては、従来、パイプカットしていた真鍮をポピュラーな鉄鋼であるS45Cに材質変更することで、コストダウンを実現しました。とはいっても、S45Cに材質変更するだけだと、意匠性が低下してしまうので、意匠性を高めるためにメッキを活用しました。具体的には、青銅メッキを用いることで、外観は真鍮のような状態にしつつ、青銅メッキで仕上げることで、意匠性を維持すると同時に、従来よりも耐蝕性を向上させることが出来ました。
一方で、製造工程に関しても、VE提案を行うために検討したところ、従来はパイプカット、面取りと単発の2工程になっていたため、順送での製造により工数を削減しました。製造での加工工数が削減されたため、1部品あたりの加工費を削減することができて、部品単価を下げることができました。また、順送製造へ移行するために、品質を確かめながら進めることで、生産性の高い加工を実現できました。実際に生産を進めるにあたり、パイプカットの公差や面取りの許容差をクリアしており、大ロットの生産であっても歩留まりを低減させつつ、加工工数を削減して供給することができました。
以上のように、材質の変更だけでなく、加工工程の工数削減を行うことでコストダウンは実現しつつ、意匠性を維持したまま耐蝕性をアップすることができました。

改善効果

改善効果として、意匠性を維持すると同時に、耐食性を向上させたうえで、従来の量産品よりも6.02%のコストダウン
を実現しました。

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