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組立の全自動化により、海外部品の工数削減+品質安定を実現

Before(改善前)

家電部品の組み立てを海外で行っていました。数量も10万個/月と多く、工程自体も成形品+スプリング+グリス塗布+スプリング荷重検査となっており、多くの人員が必要でした。品質に影響を与えるグリス塗布も人の管理で行っていたため品質にバラツキが発生していました。この製品は冷蔵庫の右/左で異なる引き出し部品でしたが、形状が類似しているために部品の間違いもあり、混入防止の対策を行う必要がありました。
さらに、季節製品で生産に変動が大きいため、生産量に合わせた人員の確保も課題であり、繁忙期は残業や休日出勤が発生していました。
働き方の改善が必要な中での状態であったため経営的にも頭を悩ませられており、日本国内で安定供給できる方法をご相談いただきました。

After(改善後)

まず最初に組立~検査の自動化を検討しました。成形品は金型~成形を対応し、組立は自動機を投入して自動化し、グリス自動塗布+スプリング荷重検査も自動で行う事で人手に依存しない生産体制を構築しました。自動化することで品質検査は全数検査が可能になり、自動機のデータを使って一括管理して出荷できる環境を整える事ができました。

部品構成は成形品3部品、スプリング1部品であり、組付けは全て圧入でしたが、組み立てを自動化することができました。

成形品の形状変更が現行品で認められなかったため、現状の組み難さを自動化する必要があり何度も設備メーカーと打合せを重ねました。
人が行うことでカバーしてきた組み立ての難しさを自動化するため、お客様、設備メーカー含めて様々な方法の検討を進めた結果、自動化することができました。

 

品質面では、スプリングの荷重検査も自動で行い、全数を品質確認したうえで出荷できるスタンスを目標として自動化を進めていくことになりました。

スプリングは全長が60mm程あり、片側を持つと片側が垂れ下がるほど柔らかいため、所定の位置へのロボットでのセットをいかに早く、正確に実現するかが課題でした。
また、グリスの自動塗布では6か所へ均一な塗布が求められる中、環境温度でもバラつくなど非常に難航しましたが、各工程のタクトバランスを何度も設備メーカーへ相談し、幾度となる改善で自動化を実現しました。

 

結果的に、これまでは人を増やして組み立ての生産量を調整していましたが、生産の自動化を実現できるようになったため、生産量の変動があっても残業や休日出勤をへらすことができるようになり、品質自体も安定化することができました。

また、類似した右/左で異なる点については、自動機の中で2ライン化することで混入を防ぎ、自動捺印、レーザー捺印による識別管理を行えるように設定しました。

改善効果

自動機でのタクトタイムを21秒(3ヶ取)にすることができました。
部品1個当たりの工数を7秒に短縮しただけでなく、スプリング荷重検査も全数検査を行えるようになったため、機能的なクレームは0を実現しました。
設備につく人員も完成品の梱包のみで2名と最小限に抑えらるようになり、繁忙期は多少の在庫を保有する事で、休日出勤0を実現し価格・品質ともに評価いただきました。

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