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射出成型が難しい形状の部品を金型の構造によって実現した事例

Before(改善前)

新しい水栓のデザイン上、どうしてもグースネック形状が必要でこれを低価格で安定供給する為の提案を相談されました。
射出成型(インジェクション成形)では金型の構造上、アンダーとなるため通常では成り立たない形状となっていました。どうしても生産する場合は置きコマ方式となり、成形機に人がついて作業を行う事で成り立ちますが、成形サイクルが長くなってしまいます。月産想定数量が15,000台/月と生産数が多かったため、現実には工程能力的に対応困難であり、どのような方法で実現するかが課題でした。
金属であれば加工できる形状ですが価格が高くなるため、VE提案が得意な当社として工法の調査を積極的に進めていきました。

After(改善後)

当社の協力メーカー(成形メーカー、金型メーカー)と協力して、「金型は複雑になるがは自動成形出来る金型構造」の検討を始めました。
通常では、アンダーになり抜けない部分をどのように離型させるか、という課題についてお客様も含めて形状変更の打合せを何回も重ね、形状的に譲歩できる部分と自動成形が出来る金型構造とのバランスを何とか実現させること成功しました。外観の品質も求められる製品であるため、成形後のメッキ加工も考慮した生産方法が必要でした。成型後の工程に安定供給ができるように量産性を前提としながらも、金型としての耐久性、成形サイクル、成形品としての外観仕上がりを考慮して進めたため、時間が掛かりましたが、安定した品質で量産することができるようになりました。
結果的には、成形の経験がある人が見るほど「どうやって成形しているの?」という評価をいただけるようになりました。
お客様の中でも実現困難と思われていましたが、射出成型の自動化を実現する事で、金型は高額となりますが製品単価が大幅に下りました。
トータルコストとしては非常にメリットが出る方法を実現できました。
様々なVE提案をしてきた当社だからこそ、協力メーカーも交えたノウハウの蓄積にもなり、同様の課題がある場合に対応できるようになりました。

改善効果

1.設計構想段階で量産性や必要な仕様をクリアした形状を検討することにより、従来の加工方法では高コストになる部品を安定した品質で量産することを実現
2.お客様のデザイン要求を重視した設計を射出成型で実現することが可能となり、設計の自由度が増加

通常の金型では加工が難しい部品の自動化は、VE提案が得意な当社のノウハウにより、無理な構造も実現することが可能となりました。
初期設計から一緒に課題の解決に取組むことが可能であり、より良い製品を世の中に発信していくサポートを行うことが可能です。

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