新商品の開発コンセプトとしてこれまでのオフィスシーティングにない高級感を表現したく光沢のある質感を求められました。特に耐衝撃・高外観（漆黒　塗装レス）が対応できる材料提案をしてほしいとのご要望をいただきました。
当初は、お客様のほうで鏡面を要する部品の取り扱いがほとんどなく仕様の取決めから協議が必要であったことと、質感が分からず判断が出来なかったことから、試作型を起面しPCやASA、AES、PMMAでの試作評価を実施、PMMAの採用に至りました。
しかし、PMMAの中でも当初採用が決定していたA社メタクリル樹脂の漆黒グレードが強度試験で割れてしまいNG、A社の製品の中には耐衝撃の漆黒グレードが無く、ゴム入りグレードを紹介されるも鏡面が損なわれ不採用となりました。

そこで当社の調達ネットワークを活かし、代替提案としてM社のメタクリル樹脂に耐衝撃性・漆黒グレードをご紹介いたしました。
この材料は車両用に開発されており、まだまだ流通量は少ないが評価が高い材料とのことで、お客様のほうでもご検討いただけることになりました。そして試作を行い、評価試験が合格となり採用となりました。あわせて指定のホワイト色の調色も行い採用となりスタンダードグレードに関しては塗装レスの漆黒調での部品を作り上げることが出来ました。
また、特注扱い品として、厳選されてたフィルムをTOM成型で加飾を行うことで、客先のセンスやデザインの幅を広く持つことが出来る仕様もラインナップされました。

今回の代替調達による効果としては次の3点が挙げられます。
1：透明度が高い樹脂であることから材料の特徴を生かし、お客様の希望の色を実現
2：塗装レスでの漆黒という外観性の向上を実現
3：フィルム転写成型（TOM成型）の提案・紹介でカスタマイズ性・品質が向上